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宇土市大太鼓収蔵館(国重要有形民俗文化財を収蔵)

歴史的価値の高い太鼓を、実際に叩ける資料館

雨乞い太鼓って?

稲作が生活の中心だった日本では、水=雨は非常に重要なものでした。日照りは農民にとって非常に避けたい事態。そういったことから、宇土地域では、日照りの際に雨を祈り大太鼓を叩く文化が根づいていました。


直径1mを超えるケヤキの大木をくり抜き、周辺に木星(きぼし)と呼ばれる飾りが付いた大太鼓。これが「宇土の雨乞い大太鼓」です。今でも26基が残り、大太鼓収蔵館に収められています。


地域の人が復活させた太鼓

雨乞い太鼓を叩く「雨乞い祭り」は宇土の各地域の伝統行事として、戦前までは盛んに行われていました。ただ、戦後の急激な社会の変動により次第に伝統行事が廃れてしまいます。


そんななか、椿原地区で神社や寺の片隅に放置された太鼓を修復、祭りを復活させることに。これをきっかけに他の地区でも大太鼓再興の動きが始まり、平成初頭に多くの太鼓が修復されました。


さらに2017(平成29年)には、雨乞い大太鼓としては全国初の「国重要有形民俗文化財」に指定。これは県でも初めてのことでした。


実際に叩ける大太鼓収蔵館

宇土市大太鼓収蔵館では、この歴史的価値の高い雨乞い太鼓の資料と、太鼓の実物が展示されています。しかもこの太鼓を実際に叩くことも可能!


直径1mの大きさの太鼓は叩くのも力が必要。大きく響く音からは、地域を愛してきた市民の想いが伝わるようです。