轟水源・轟泉(ごうせん)水道
日本で一番古い「現役」上水道、轟(とどろき)水源
轟水源とは?
大岳(宇城市)系の山地から湧き出す轟水源。その名の通り、毎分4200リットルの膨大な湧水量が特長です。
水源は整備され、取水に訪れる人も多いのですが、轟水源がすごいのは、現役の上水道として最も古いという歴史。江戸時代に造られた「轟泉(ごうせん)水道」がもとになっており、今でも周辺80戸の生活用水として活用されています。
轟水源・轟泉水道の歴史
轟水源は、もともと江戸時代に造られた「轟泉水道」の水源。
1663(寛永3)年、宇土藩初代藩主細川行孝が松橋焼の陶器で作った水道管を作り、轟水源から3km離れた宇土町まで水を届けたのが始まりです。
その後100年ほど経つと、陶器の水道管が破損し、雨水などが入り込むように。そこで宇土藩5代藩主細川興文(おきのり)が宇土市で産出される「馬門(まかど)石」をくり抜いた水道管に置き換える改修が行われました。今最古の上水道として使われているのはこのときのものです。
歴史的価値も、水の美味しさも評価
今でも水が湧き出る轟水源は、環境省選定の「日本名水百選」のひとつ。さらに土木学会の「選奨土木遺産」認定や熊本県の「緑と水の景観賞」も受賞。歴史的価値はもちろん、水のおいしさ、景観の美しさも魅力なんです。轟泉水道の歴史などが学べる轟泉資料館も付近に設置されているので、ぜひ立ち寄ってみて。