SPOT

宇土城跡/西岡台(中世)(国指定史跡)

古城の城主気分で眺める、小高い丘の城跡

小高い丘にある城跡

戦国時代に活躍した宇土氏・名和氏の城跡。築城時期ははっきりとはわかっていませんが、鎌倉時代末期からは菊池氏系の宇土氏が、戦国時代には伯耆国(ほうきのくに・現在の鳥取県)出身の名和氏が在城したという文献資料が残っています。


「西岡台」と呼ばれる小高い丘のほぼ全体が城の範囲と非常に広いのが特徴。城の中心となる「千畳敷」と呼ばれる頂上部分には柱の痕跡(柱を立てるための穴)が発掘されており、中国や東南アジア産の陶磁器の破片なども多く出土されています。


また、未完成の空堀で囲まれているのも中世宇土城の特長。当時は石垣ではなく、土塁、柵などで城を守っていたと考えられます。


1979年に国の史跡に指定され、歴史公園として整備が進みました。


学術的にも評価が高い

さらにさかのぼると、古墳時代前期(4世紀ごろ)には防御機能を持った豪族の居館として利用されており、5世紀ごろに古墳が造られた形跡も。海にも近く、豊かな土壌だったこの地が、古くから栄えていたことがうかがえます。


歴史を感じながら深呼吸

空堀に囲まれた山城をぐるりとまわると、当時の門を再現した入り口が見えてきます。木の柵で囲まれた様子は歴史を感じさせる雰囲気です。入ると「千畳敷」が広がり、柱の穴の跡などを見ることができます。


小高い丘にあるため、風が気持ちよく通り抜けます。古城の城主気分で眺めてみるのもいいかもしれません。