STORY

うとの旅・海岸線をのんびり旅

あまくさみすみ線で春を見つける、列車の旅

旅立ちは、JR熊本駅から。

「うとの日帰り旅」でおすすめなのが電車の旅です。


宇城市の三角駅が終着駅の三角線、愛称「あまくさみすみ線」。


海沿いを走り、1〜2時間に1本というのんびりさが魅力です。


早春のある日、「うとの日帰り旅」をJR熊本駅からスタート。


目的地の住吉駅までは普通列車で25分。


ガタンゴトンと揺られつつ車窓を眺めると、田園風景と、海の景色。


ゆっくり外を眺めるだけで、気持ちもゆったりしてきます。


JR住吉駅で降りて、長部田海床路へ

住吉駅から歩いて向かうのは、長部田海床路です。


だいたい、徒歩で20分くらいの距離。


ここは、もともと海苔養殖や貝を採る漁師のために建設された海の上の道。


潮が引くと海の中から道が現れ、潮が満ちてくると逆に海の中へと道が沈みます。


約1km続く道の端には24本の電柱があり、夜に明かりが灯ると、


まるでジブリ映画「千と千尋の神隠し」のワンシーンのようになります。


まだ道の表面に海水が残り、次第に道が現れるタイミングを見計らって

散策に出かけると、海の上を歩いているようで、物語の主人公になった気分です。


訪れるのにいいのは、次第に道が現れ、あるいは消えていく満潮・干潮の2時間前後。


時間帯は、夕方の薄暗い中も、夜にかけて電柱に明かりが灯る頃も、

昼間の明るいときも、それぞれに魅力的。


何時に行っても異なる面白さがある場所です。


近くには、熊本県と漫画家・尾田栄一郎さんが連動した企画の一環である「ONE PIECE・ジンベエ像」も。


これは、県内各地に「麦わらの一味」の銅像が建てられたもの。


「魚人」であるジンベエの銅像の場所は、海にゆかりのある住吉海岸公園が選ばれたとのこと。


ジンベエ像とツーショット。


意外と大きくて驚きました!


再び電車に乗り、網田駅のレトロ館へ

網田駅は熊本県内で一番古い(九州でも2番め!)木造の駅。


年季の入った木の柱、窓枠、どこを見てもレトロ感満載です。


それもそのはず、建てられたのは明治32年。


明治、大正、昭和、平成、令和、と5つの元号を経験している長生きの駅です。


駅舎の一部を改装してつくられているカフェがあります。


それが「網田レトロ館」。


土日祝日のお昼のみ営業する、地元有志が始めたカフェです。


「総点検日」など、昔の駅に掛けられていた木の札がそのまま残っていて

当時の雰囲気が感じられます。


地元の柑橘類「ばんかん」と炭酸を混ぜたジュース「海とばんかん」は

青と黄色の2層になっていて、飲むのがもったいないくらいキレイ!


味わっていると、駅に電車が到着。


窓越しに電車を見ていると、本当にタイムスリップしたような気持ちになります。


御輿来海岸で、ゆったり

網田駅から足を伸ばして、御輿来海岸へ。


日本の渚百選・夕日百選に選ばれた名所です。


ただし、この絶景は期間限定。


2月〜4月のうち、夕日と干潮が重なるタイミングはたったの数日です。


この「絶景日」を逃すと、その後1年は見られない、

とびきり貴重な眺めなんです。


だからこの時季には、日本全国のみならず世界から多くのカメラマンが集まるのです。


 


Facebookの御輿来海岸ファンサイトには、

観光客が撮ったベストショットが多く寄せられています。


その管理人・河野敏信さんに話を聞くと、

宇土の人の、地域に対する「愛」が伝わってきます。


あたたかい気持ち、あたたかい人に出会えるのが「うとの旅」の魅力なのでしょう。


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